わんことにゃんこの愛し方




しん、と静まり返った路地裏。

薄暗いそこでただ立ちすくむ私の手をとって、歩き出す少年。

暗くて静かなところから一変、彼は私を光の中へ連れ出してくれた。

右手から伝わる温度が温かい。

ああ、やっぱりこいつは太陽なんだ、と納得してしまう。

気分を晴れやかにしてくれるような、そんな。

体温と共に、私の中のわだかまりも溶け合ってしまったみたい。

大きな背中を眺めて、そう思った。




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