わんことにゃんこの愛し方




無言で見つめる奏の顔は、いつものバカ犬なんかじゃなかった。

無言で私を責めている、そんな瞳。


怖い、


助けてくれた奏に対して感じたのは恐怖だった。

こんなところも普通と反対なんて、もう呆れて笑ってしまう。


そんなことを思いながらも、長年に渡り仕込まれた天の邪鬼は相当なもので、

まだこ憎たらしい顔をしている。

素直じゃない、なんて次元の話じゃないでしょこれ。


それでも足はわずかに震えた。


何から来るのかわからない恐怖が、かたかたと迫ってくる。




< 155 / 295 >

この作品をシェア

pagetop