わんことにゃんこの愛し方
無言で見つめる奏の顔は、いつものバカ犬なんかじゃなかった。
無言で私を責めている、そんな瞳。
怖い、
助けてくれた奏に対して感じたのは恐怖だった。
こんなところも普通と反対なんて、もう呆れて笑ってしまう。
そんなことを思いながらも、長年に渡り仕込まれた天の邪鬼は相当なもので、
まだこ憎たらしい顔をしている。
素直じゃない、なんて次元の話じゃないでしょこれ。
それでも足はわずかに震えた。
何から来るのかわからない恐怖が、かたかたと迫ってくる。