わんことにゃんこの愛し方
「……なんで、あんなことになったの?」
口調はいつも通り、でもトーンの低さは三割増し。
「穂香とクラスの子がナンパされてて、嫌そうだったから逃がしただけ。」
声は震えてないだろうか、
無駄に落ち着いた思考回路は、全く関係ないことを考え出す。
奏は私の答えに満足しなかったみたいで、表情を険しくさせる。
「それは知ってるよ、俺に理桜のことを教えてくれたのは高原さんだからね。
俺が知りたいのはそのことじゃないよ。
…ねぇ、理桜、
……なんで、抵抗しなかった?」
口調は優しげなのに、目が全く笑ってない。
怖い、
こんな奏、見たことない。