わんことにゃんこの愛し方
「…そ、れは…」
「相手の男がタイプだったとか?あ、それともナンパされて嬉しかったとか?」
「なっ、違っ…!!」
「そ?俺には従順に見えたんだけどなぁ、いつもと違ってさ。」
誰だ、こいつ。
こんな嫌みなしゃべり方なんてする人間だった?
知らない男が、ここにいる。
私が長い間見てきた"犬飼奏"は、もっと…
そこで私は自分の思考に疑問を持った。
もっと…、もっとの続きはなんだ…?
もっとヘタレだった?
もっとおバカだった?
もっと…優しかった?
キツい視線を真っ向から浴びて、でも私の思考は昔へ飛ぶ。
いろんな記憶の欠片から、たくさんの奏が笑ってる。