わんことにゃんこの愛し方
「ごめんな…俺幼馴染み失格だよ。そんなの全然気付いてあげれなかった…」
私はほんとにバカだと思う。
きっと奏の方がマシだ。
だって、奏を泣かしてるのは私なのに、
私のために泣いてくれてることがたまらなく嬉しいなんて、おかしすぎる。
「…なんでアンタが泣くのよ、ばかわんこ。
……でも、」
私はきゅっと奏のシャツを掴む。
奏も私の肩に顔をうずめる。
「…もうちょっとだけ、泣かしてあげる。」
奏の嗚咽に隠れて、私も少しだけ涙を流した。
日の落ちた薄暗い帰り道、
残ったのは、左右反対でお揃いの肩の染みだけだった。