わんことにゃんこの愛し方



「あーあ、もうちょっと一緒に住みたかったなぁ〜。新婚さんみたいでよかったよね。」

「謙斗くんと奏が夫婦?うわー…」

「いやいや違うでしょそれ。」


なんとなく離れがたいような気がして、家の前で他愛もない話に花が咲いてしまう。

回りはもう夜だった。

自分でも、私がこんなに女々しいなんて知らなかった。


「じゃ、また明日ね。」

「うん。」


そう言って別れようと背を向けたとき、


懐かしいバイクのエンジン音が闇にこだました。





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