わんことにゃんこの愛し方
「ちょ、ちょっと修司兄ちゃん!!」
抗議しようとしたら、その瞬間に修司兄ちゃんは席をたつ。
「わり、ちょっとトイレ借りるわ。」
足早に去っていく修司兄ちゃんを、やっと直した髪の間から覗き見る。
でも私はすぐに視線を手元のコップに落とした。
あーあ、と隣で謙斗が頬杖をつく。
「…まんざらでもない、ってことか?うーん、お兄ちゃんちょっと複雑だなぁ。」
…違うよ、違う。
絶対そんなんじゃないって分かってるのに、胸がドキドキした。
修司兄ちゃん、そんな顔したらさ、女の子は皆誤解するよ?
自分のこと好きなんじゃないか、って…。
さっき少しだけ見えた、修司兄ちゃんの照れたように赤く染まった頬のせいで、私の体の温度もおんなじくらい上がった。