わんことにゃんこの愛し方




お茶を入れ換えようとしたとき、ふいに電話が鳴った。


「はい、もしもし」

『もしもし、理桜?』

「なに、お母さん」

『あのねぇ…』


「……え?」



言葉を無くした私の様子に、謙斗が『どーした?』と声をかけてくる。

でも私は返事をする余裕なんてない。

私は石像になったのかと思うくらいに固まってしまった。



「……海外赴任?」


やっとのことで絞り出した言葉に、横の謙斗も目を丸くしていた。



< 196 / 295 >

この作品をシェア

pagetop