わんことにゃんこの愛し方
お茶を入れ換えようとしたとき、ふいに電話が鳴った。
「はい、もしもし」
『もしもし、理桜?』
「なに、お母さん」
『あのねぇ…』
「……え?」
言葉を無くした私の様子に、謙斗が『どーした?』と声をかけてくる。
でも私は返事をする余裕なんてない。
私は石像になったのかと思うくらいに固まってしまった。
「……海外赴任?」
やっとのことで絞り出した言葉に、横の謙斗も目を丸くしていた。