わんことにゃんこの愛し方
下に降りると、丁度謙斗がテーブルに皿を並べているところだった。
そういえば、母さんと父さんは地域の行事かなんかに行くって朝言ってたなぁ。
「あ、理桜ーちょうどいいとこ来た。今からメシ。」
兄貴は声のトーンからして、やっぱり怒っては無いらしい。
兄貴が単細胞でよかった、あ、でも私は妹だけど単細胞じゃない、崇高なる多細胞生物だ、敬えクソ謙斗。
ちっちゃく嫌みっぽく俺様っぽく、ふてぶてしい冗談を冗談っぽくなく言えば、なんだか聞こえていたみたいで謙斗はぶーぶーと唇を尖らせた。
子どもみたいだ、せっかくの顔が台無し。
今さらだけど、なんかそっくりの兄の顔を誉めるなんて、なんかナルシストみたい。
でも実際私は自信家だ、と思う。
確かに、私は自分でも、顔は整っている方だと自覚してる。
でも、それはあくまで『人間のなかで』であって、『女子のなかで』じゃない。
悲しいかな悲しいかな、女子力は皆無だ。