わんことにゃんこの愛し方
「謙斗、お腹空いた。」
まだ笑いの余韻が消えないまま、私はあえてぶっきらぼうに言った。
きっとその顔は無理してるから嘘だってバレちゃうんだろうけど。
謙斗は私の中で何かが変わったことを敏感に察したらしい。
ただにっこり笑った。
「奏ー、じゃあ飯作りに行くよー。
あ、修司は先に風呂行ってこいよ、その次理桜な。
で、理桜はそれまでに皿出して。」
謙斗がテキパキと指示を出す。
命令すんなクソ兄貴、
なんてぼやきながらも、私は棚から食器を出して並べてゆく。