わんことにゃんこの愛し方




「おいおい奏、なんつー目で睨むんだよ。お前らがくっついたのも俺のおかげだろ?」


ジャマされた覚えはいっぱいあっても、

手助けされた覚えなんてこれっぽっちもないんだけど!!


「何いってんだ、お前の闘争心を煽るためにわざと、だろ?
まぁこんだけやって手が出せないようなヘタレだったら俺がもらってたけど。」


やっぱりあわよくば狙ってたんじゃん!!

半分以上ガチだろっ!


兄ちゃんは憤慨する俺をほっといて、爽やかな笑顔を理桜に向ける。


「理桜、コイツがうざくなってきたらいつでも俺に言えよ?
コイツよりはマシだからな。」

「修司兄ちゃん…なんて謙虚なの…」


理桜ときめいてる!!

しかも謙虚ってなに!?

だったら俺そうとう下の方じゃんかっ!!


ああ…なんだろこのやるせなさ…


後ろで二人が必死に笑いをこらえてるってのに気付くのは、

そして、キスなんてしてなかったって知るのは


それから数十秒後のことだったり。



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