わんことにゃんこの愛し方




「ほんと、に…?」


「ほんとだよ、あなたのお兄ちゃんの謙斗くんだよー?」

驚きを隠せない私に、お兄ちゃんは乾いた笑みをこぼす。

ちゃらけた言葉は、私のためだろうか。


お兄ちゃんは、なおも優しく私に語りかける。


「あのねぇ、俺も一応男なわけよ。
それなりに成長するし、ゴツくもなるよ。」

「まだまだひょろひょろじゃねーかよ。」

「修司は黙ってて。」

「へーい。」


いつものお兄ちゃんだ、と漠然と実感した。


あえて同じ髪色や目の色にすることで、

二つの顔の違いがよくわかるようになった。


謙斗兄ちゃんの顔は、中性的な面影は残っているけど、

荒削りなところが、男のそれだ。


私の顔は、彼にそっくり、ではない。




じゃあ、私の顔は………





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