君と見たこの蒼い蒼空

弱藍 〜じゃくあい〜


“チ…チチチッ……”

朝早く、私は布団から出た。
少し朝日が暑くて、夏を感じさせる。
私の大好きな空……。
今日は……やった。
今までに無いくらい綺麗な青空だった。
雲が作る日陰が光の当たらないアスファルトを冷たくさせていた。
目覚ましのニュースの中のお姉さんも、スーツに身を包みながらニッコリと「今日は1日暖かい晴天となります」と言った。

私は一階のリビングに降りて、すでに朝ご飯の準備を済ませていたお母さんに、軽く今日の日程を話した。
「気を付けなさいよ」
お母さんは微笑みながら、私の洋服のポケットに、千円札を二枚ほど入れてくれた。
「早く帰ってくるのよ」
「うん。」
私はそう言って家を出た。
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