天使と悪魔
【2】
――あれからかれこれ一週間。
椛の恋に発展はなし。
まぁ当然だ。
椛は好きな人には話し掛けることは疎か、目を合わせることすらできない超S級シャイガールなのだから。
全く、困ったもんだ。
はぁ、と思わず溜め息。
『椛ちゃん、顔可愛いんだから自信持てばいいのに。』
…なんだか嫌な声が聞こえた気がした。
例えば天使とか天使とか天使とか。
まぁ幻聴だろう。
流石のあたしも椛の応援で疲れてるらしい。
………お、そうこうしているうちに椛の後ろから沢村が。
『ほらっ、今日こそおはようって挨拶してこいよ!!』
いつものように囁く。
すると両手を固く握りしめて椛は心で言った。
「そうよ、今日こそ……言わなきゃ……っ!!!」
おぉ!!!!