紅に染まる花


「小花ー次の化学の宿題写させて」

「あんた昨日も宿題忘れなかった?」


お昼休みお弁当を広げて食べようとウキウキ気分の中水を差す奴が一人、見ればメイクアップは完璧、隙のない制服の着こなしオシャレに余念がない道端リカコがそこにいた。

「そうだっけ?」

可愛らしく小首傾げても男に効くがあたしゃ効かんぞ。

「お前さんはいつになったらちゃんとやるんだよ」

「だぁてせっかく神代ファミリーがいるんだもん宿題なんかやってられない」

やれよ、宿題の意味ねぇよそれ。

はぁと心の中でため息をつきつつノートをリカコに渡す。


「ん、授業始まる前に返してよ」

「ありがとー小花大好き、心司君の次に」


次には余計だろ。



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