酸欠3秒前。
あわてて私は先輩の口から指を引き抜いた。
「だめ!今のもだめ!心臓がどきどきするからだめ!」
そう言って両腕を振りかぶって、怒りんぼのポーズをした。
すると先輩はとろけるように笑って、私の手首を掴んで、自分の首に私の腕を回させた。
そしてそのまま私の首筋に唇を押しつけた。
「そんなの無理に決まってるじゃないか。僕、我慢なんかできないよ」
「じゃあ私が死んじゃったらどうするんですか」
「死ぬなんてそんな大げさな。
そもそも、なんでこんなこと急に言いだしたの?
セックスしちゃだめなんて、今までに一度も言わなかったよね?」
そう言って、先輩はおでこをコツンとくっつけてきた。
「ねえ、なんで?僕のこと嫌いになっちゃった?」
「…………………だって」
「ん?」
「だって、私、だめなんです…」
私は先輩の首筋に顔をうずめた。