酸欠3秒前。
「キスもセックスも、こうやって、ただ触れるだけのことでも、私おかしいくらい、どきどきして、もう息ができなくなるんです…。先輩にさわられると、未だに恥ずかしいし、緊張するし………ああもうだめです」
なんだか顔が熱くなって訳が分からなくなってきた。
あわてて先輩から離れようとすると、先輩にぐっと腰を引き付けられた。
そしてそのまま、触れるだけのキスをした。
鼻と鼻とがくっつきそうな距離で、先輩が私を見つめる。
「……今、どきどきしてるの?」
「………え?」
「今、恥ずかしい?緊張してる?僕のことで、頭いっぱい……?」
「…………はい……」
私が聞かれるままに答えると。
先輩は、いたずらっぽく笑って、
「…………僕もだ」
……そのまま、深い深いキスをした。
今夜もふたりはそろって、
酸欠3秒前。
(ああやっぱり死にそうです先輩)
(幸せ過ぎて?)
(そうではないです。
………いや、やっぱりそうかも)
[END]