Strawberry[更新停止中]
「‥‥‥‥‥‥先輩?」



「あ?」



こんな自分侑にだけは見せたくないと思うのに




―――イライラする





侑が、男といるだけで






不機嫌な俺に、侑は首をかしげている。


俺の不機嫌の理由に、侑が気づくことはなくて。


「ううん、早かったね?」


「早く来ないほうがよかったか?」





侑の他意のない言葉にも、こんなふうにしか言えなくなってしまう。


侑が、そんな意味で言ったんじゃないことくらい、わかっているはずなのに、


聞きたくなる。



「ううん、来てくれて、嬉しいよ?」



侑の言葉を。



俺を、待っててくれたんだって。




たとえそれが、俺の気持ちと同じくらい、大きなものじゃなくても。





「ケーキ、食べる?」




小さい侑よりずっと背の高い俺に、おそるおそる、上目遣いに尋ねる侑はかわいくて、思わず流されそうになる――――――が。





俺はしっかりと、丸いテーブルを囲む侑と男の間に座り、侑の隣を確保する。





―――――確かめなければ。






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