Strawberry[更新停止中]
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「侑!おはよ」


あれから二週間。
先輩からの連絡もなく、彼の姿は見ていない。


「おはよう、加奈、ヒロ」


「一人?」

「うん」

「最近、多くない?」

加奈の言葉に、曖昧に笑うことしかできない。



「侑、ちゃんと、食べてるか?」


顔色、悪いぞ。


顔をしかめて、ヒロが私の顔を覗き込む。


「―――食べてるよ?」

「嘘つけ」

微笑んで言ったのに、やっぱりヒロはごまかせない。



「ちゃんと、食え」


険しい顔のまま、ヒロが言う。


「ヒロ、お母さんみたい」

「せめてお兄さんと言え」

「いいとこお姉ちゃんでしょ、侑にお弁当まで作ってきちゃって」


お弁当?

「加奈っ!」

「ほら」

慌てるヒロを無視して、加奈はヒロの持っていた紙袋を奪って侑に見せた。

大きめの紙袋に大きなお弁当が入っている。

「‥‥これ、重箱‥‥?」

黒塗りの、三段重ねの正方形。

「バカよねぇ、侑がこんなに食べられるわけないのに」

「俺も食うからいいんだよっ」

「ついでに私もね。行くわよ、侑」

奪った紙袋をヒロに押し付け、笑顔で加奈は言った。

「どこへ?講義は?」

「サボるに決まってんじゃない」

片手を腰に当て、いつもの様に自信満々で言い切る加奈はどこか楽しそうだ。

「行くぞ」

ヒロも少し楽しそうに言うから。

「うん」

私も思わず笑顔で返事をした。


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