Strawberry[更新停止中]
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駅を出てまわりをキョロキョロと見渡す。


パッパーッと車のクラクションが聞こえ、目を向けると見覚えのある白いセダン。

運転席から顔を出しこちらを見ていた。


「‥‥直人」


たった三ヶ月ぶりなのに、懐かしい、と感じる。


「乗って?」


駆け寄った私に微笑んで言う。


「晩ご飯食べた?」

助手席に座り、シートベルトをかけながら首を振ると、

「じゃあ、食べ行こう」


と言って車を発進させる。


彼の纏う空気は相変わらず穏やかで、会話の止まった静かな車内でも、気まずさを感じさせない。


やっぱり、直人だ‥‥


ゆったりとした空気が、緊張で強張っていた私の心を少しほぐしてくれる。
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