砂漠に堕ちた天使 番外編
「任せといて、荷物の中へ入ってもらうからちょっときついけれど、貴方なら十分入れるから」



そう言って細長い箱を指さした。



「団長!それでいいわよね?」



先を進めている前に座る団長に声をかける。



「仕方がないだろう」



そんな声が聞こえた。



******




検問所に近づくと、莉世は細長い箱の中に入った。



かなりきつくて苦しい。



とにかくバルクークに入って、どうにかしてお兄様と連絡を取らなければ。



お兄様は無事、宮殿に戻れたのかしら……。



あの竜巻に巻き込まれていなければいいと、狭い箱の中で切に願う。



不意に馬車が止まるのが分かった。



検問所に着いたのだ。



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