砂漠に堕ちた天使 番外編
「その衣装もお姫様のようだから変えた方が良いわ わたしのを貸してあげる」



ファラウラは麻ひもで編んだような箱から鮮やかなブルーのアラビアンパンツ一式を取り出した。



着てみると、お腹が見えてしまって恥ずかしい。



「良く似合うわ」



「この衣装は恥ずかしいわ ベールはあるかしら?」



ベールを肩から羽織り、腹部を見えなくさせたかった。



「ベールで隠すなんてもったいないわ 暑いし、これでいいと思うわ」



ファラウラたちはこの衣装に慣れているらしく、何とも思わないらしい。



莉世は仕方ないと、あきらめた。




******




「わたしたち一座はとても有名なの」



セリナが宮殿へ着くまでの間、説明してくれる。



「ファラウラの踊りを見れば、どんな殿方も魅了されるの 普段はあんな感じで色っぽさも何もないように見えるけどね」



莉世は話を聞いて驚いた。



有名な踊り子なんだ。



お兄様は知っているかしら……。



再びラシッドを思い出してしまい、胸が痛む。



早く会いたい……。



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