砂漠に堕ちた天使 番外編
「リセ、本当に踊れるの?」



カーシャ達が出て行くと、セリナが言う。



「ええ、セリナが踊るのが一番だと思うけれど、王族たちの前で踊るとなると緊張で身体が思う様に動かないと思うの わたしなら緊張しないから大丈夫よ」



まず、ファラウラの代わりに踊ることを了承してもらわなければならないが……。



「そうね、リセなら気品があるし、美しいし、うまく踊れるのなら問題はないと思うの 頑張ってね!」



セリナはすぐに莉世の髪を編み始めた。



衣装の形は先ほどまで着ていたものと変わりはないが、金色の衣装は莉世の美しさを際立させていた。



今までしたことがないくらいアイラインを強調されて少しつり上がって見える。



高慢な踊り姫が出来上がった。



露出度が高いけれど、仕方ないわね……。



牢屋に入れられないためには、媚びる衣装も助けになる。



出来上がりを見た女の子たちは、ただただ感嘆の声をあげるばかりだ。



顔にベールをかけて、踊るまでは見せないことにした。



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