砂漠に堕ちた天使 番外編
団長が戻ってきた。



国王は渋い顔だったらしい。



でもなんとか踊れることになった。



無事に踊り終えなければいけない……。



莉世は一呼吸して気を落ち着けた。



******



今度はちゃんと楽師団がいた。



団長に音を指示してもらった莉世は上座の前に優雅な足取りで進むと、膝を付いた。



「そなたがファラウラの代わりをしてくれると言う娘か」



国王が莉世に話しかける。



「はい 精一杯踊らさせていただきます」



深く頭を下げたのち、顔を覆ったベールを取り払った。



莉世の顔がはっきりわかると、まわりがざわつく。



まさか、わたしを知っている人なんていないわよね……?



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