砂漠に堕ちた天使 番外編

「ほう……とても美人じゃないか　ハサート、どうだ？」



国王は隣に座っている若い男に声をかける。



「ええ、素敵な方ですね」



ハサートと呼ばれた青年は莉世を見ながら笑みを浮かべ答える。



莉世は剣（つるぎ）を２本持って位置に着いた。



そして楽師団が奏でるきれいな音色が流れ始める。



莉世の踊りは素晴らしく、見ている者を魅了させた。



しなる華奢な身体、素早く動く２本の剣、優雅だが凛とした美しい動き。



団長や女の子たちもあっけにとられ見ている。



突然ハサートと呼ばれた青年が自分の剣を持って立ち上がった。



莉世の踊りに加わろうとしている。



男女の恋の剣の舞はお兄様としたことがある。



莉世は妖艶な笑みを浮かべ、ハサートに剣を向けた。