砂漠に堕ちた天使 番外編
セリナも頭の痛い話は向いていないと言って寝台の上に横になる。



莉世の眠りはなかなかやって来なかった。



身体は疲れているはずなのに、心がざわめいて眠れない。



ハサート王子と結婚をさせないために、わたしはザハラ姫に殺されてしまうかもしれない。



その為にハサート王子はわたしに護衛をつけたんだ。



ザハラ姫の仕業だと分かっていても罰せられないのは国王が甘いのだろう。



それに国王はおもちゃを与えるみたいに、ハサート王子に妃を与えているに違いない。



ハサート王子は人を愛するのがどんなのか分からない人なのかもしれない。



莉世は寝返りを打って目を閉じた。



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