砂漠に堕ちた天使 番外編
「もう問題はないですな 姫の軽いいたずらだと思ってください」



目の覚めているファラウラに侍医はそう言うと出て行こうとした。



「あ、あの」



莉世は侍医を呼び止めた。



「なんでしょうか?」



立ち止まり振り返った侍医は莉世を見る。



「お聞きしたいことがあります ジャダハールとこの国は友好国でしょうか?」



「おや、ジャダハールがお国の方なのでしょうか?」



「え、ええ」



「つい最近まで敵対国でしたよ ですが、近いうちにジャダハールと友好条約を結ぶ予定なのです」




******




侍医の言葉は莉世を悩ませた。



つい最近まで敵対国……もうすぐ友好国……不安定な関係だわ……。



その後、ハサート王子の訪問で考え事が中断された。




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