砂漠に堕ちた天使 番外編
ダメ……ザハラ姫の本心が分からなければ話すことは出来ない……。



「逃がしてあげましょうか?」



「えっ?」



莉世は驚きの声を上げた。



この姫がわたし達を逃がしてくれる?



「……本当ですか?」



莉世が戸惑いながら尋ねると、ザハラ姫は突然大声で笑い出した。



なんで……?



莉世は訳が分からず、高笑いするザハラ姫を見ていた。



やっと笑うのを止めたザハラ姫は莉世に向かってにっこり笑う。



「やっぱり逃げたいと思っているのね?そう言う事ならあきらめなさい わたしは財産に目がくらんでハサートの妻になる女が嫌いなの 逃げ出したいなんて思うなんて今まで貴方だけよ 残ると言っていたなら私は貴方を逃がし、途中で殺させていたでしょう」



なんてひどい人なの!?



莉世は手を握り、怒りの震えを堪えようとした。



「私、貴方が好きになりそうだわ 他の9人の妃よりずっと良いわ 私の義妹になるのを楽しみにしているわ 仲良くしましょうね」



そう言うと、優雅な足取りで出て行った。



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