砂漠に堕ちた天使 番外編
その時、ラシッドが口を開く。



「ハサート王子の御婚約者 宴は宵の口、まだ良いではないですか」



ラシッドの言葉に莉世はビクッと身体が揺れた。



何を言っているの?お兄様……。



どんな顔で言っているのか見ようと顔を上げると、楽しんでいるかのような表情だった。



「それはそうだな ハサートもまだいて欲しいと思っているだろう」



国王もラシッドの言葉に頷く。



「ええ まだいて欲しい」



ハサート王子は莉世の手を握ると座るように軽く引っ張った。




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