砂漠に堕ちた天使 番外編
「今頃、大騒ぎになっているかしら……そうだわ!ファラウラ達はっ!?」



わたしが逃げたと知ったら、一座のみんなに迷惑がかかる。



心配になり、顔を曇らせた。



「ご安心ください 団長をはじめ、皆様は先にオアシスへ向かっています」



「えっ?」



何もかもが用意周到で驚いてしまう。



「あとで、ラシッドさまからお話が聞けます 今は身体を休めてください かなりの出血でしたから」



アクバールの言うとおり、頭はズキズキと痛み、身体は自分の物ではないくらい重く感じられる。



莉世は背をアクバールの胸に預けた。



明日にはお兄様に会える。



喜びと嬉しさを実感しながら目を閉じた。




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