砂漠に堕ちた天使 番外編
12
「団長、みんな、心配しないで 元通りとはいかないけれど、新しいものをジャダハールで用意すると約束します」
思い出がたくさん詰まっている物の代わりにはならないけれど、あれよりもっと良いものをプレゼントしようと莉世は約束した。
「アクバール、お兄様は……」
「計画では正午過ぎにはこちらにいらっしゃるはずです」
「そう……」
早く会いたいけれど、会うのが怖い。
ハサート王子に触られたり、キスされたりするところを見られていたのだから。
******
ひと段落すると、頭が痛み始めた。
「リセ、顔色が悪いわ 横になって」
ファラウラの言うとおり、布が敷かれた上に身を横たわらせた。
殴られた側頭部がズキズキと痛む。
「目を瞑って 側に居るから」
ファラウラは目を閉じた莉世の亜麻色の髪に手を滑らせた。
思い出がたくさん詰まっている物の代わりにはならないけれど、あれよりもっと良いものをプレゼントしようと莉世は約束した。
「アクバール、お兄様は……」
「計画では正午過ぎにはこちらにいらっしゃるはずです」
「そう……」
早く会いたいけれど、会うのが怖い。
ハサート王子に触られたり、キスされたりするところを見られていたのだから。
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ひと段落すると、頭が痛み始めた。
「リセ、顔色が悪いわ 横になって」
ファラウラの言うとおり、布が敷かれた上に身を横たわらせた。
殴られた側頭部がズキズキと痛む。
「目を瞑って 側に居るから」
ファラウラは目を閉じた莉世の亜麻色の髪に手を滑らせた。