月の欠片
日常
(ふぅ〜今日も暇だなぁ…)
冷たい空気に包まれながら、
白い息とともに、
煙草の煙りを吐き捨てる。
非常階段から見下ろす街は、
人通りも少なく
虚しくネオンだけが輝いていた。
(今日、何時まで店やるんだろ?)
今は深夜1時。
年末だというのに、お客さんの入らない店に苛つきながら、
電話のふりして外に出る。
(早く帰りたいな〜。)
煙草も吸い終わって、
ボーっと星の見えない空を見上げてた。
─ピリリリリリ─
突然渇いた空気の中に携帯が鳴り響く。
(こんな時間に誰だろ?)
携帯を開くと、見慣れない番号が並んでる。
戸惑いながら、電話にでた。