月の欠片
毎日が忙しくてバタバタと時間が過ぎていく。
充実はしているかも知れないけれど、
心のどこかに、虚しさや寂しさを感じる事もあった。
(私は何をやってるんだろ?)
そんなふうに、疑問を感じる事もあった。
そんな時はいつも店の外の非常階段で煙草を吸っていた。
雑居ビルの7階から見下ろす景色は、
下品なネオンばかりで、
決して綺麗なものではなかったけれど、
下を歩いてる小さく見える人々や、
星は見えないけれど、時々見え隠れする月が、
私の心のモヤモヤを消してくれるようだった。
(今日は飲みに行こうかな〜)
手すりにもたれて、最後の煙りと一緒に溜め息をついた─。