月の欠片
(あの人、誰なんだろ…?愛美とどんな関係なんだろ…?)
仕事中、気になって仕方なかった。
私は不安になって洸太に電話した。
『もしもし?』
『おぅ梨花、もう仕事終わったんか?』
『ちょっと聞いて欲しい事があって…店行っていい?』
『…どした?うちは全然来てくれていいけど…』
早退して洸太の店に向かった。
誰かに話さないと不安になるくらい、
愛美の態度は普段の愛美と違っていた。
『いらっしゃい』
『洸太おはよう』
洸太に会うのもあれ以来だった。
愛美の事で頭いっぱいだったけど、
洸太の顔を見ただけで少し安心していた。
『で?どうした?』
洸太に店で起きた事を全部話した。
『そんだけじゃ何もわかんねぇな…』
洸太は真剣に聞いて考えてくれた。
『圭輔くんに会いに行こうぜ!』
『でも…圭輔くんには黙っててって言われたし…』
『ばーか、言わねぇよ!俺らで行けば普通に飲みに来たと思うだろ?何か探ってみようぜ!』
『…うん、わかった』
私達は、圭輔くんの店に向かった。