月の欠片
『あっ…うん、体は大丈夫みたいだった…』
洸太にそう言って、
『愛美から電話ない?』
圭輔くんに聞いた。
圭輔くんは携帯を確認して、
『いや…かかってきてねぇけど?愛美なんだって?』
『とにかく、私より愛美と話して。お願いだから、愛美を離さないであげて?』
私がそう言うと、圭輔くんは頷いて店を出ていった。
『私達も帰ろう?』
洸太にそう言って、私達も外へ出た。
『お願いだから今日は傍にいて?』
そう言うと、洸太は私の手を取って、
『…当たり前だろ?お前が辛いときは俺が傍にいてやるから…いつでも頼ってこいよ』
そう優しい声で言ってくれた。
(洸太がいてくれて良かった)
私は心の底からそう思った。