月の欠片
現実
次の日の朝、
『じゃあ、また』
『うん、来てくれてありがとうね…気を付けて帰るんだよ』
『会社、遅れちゃうよ?』
そう言うと、私の頭を撫でて玄関を出ていった。
私は3日間分の荷物をまとめて、
冷蔵庫に残った野菜を料理して食べられるようにしておいた。
ガスや電気、窓の確認をして部屋を出た。
駅までは歩いて10分くらいだった。
(あっと言う間に休み終わっちゃったな…)
駅に着いて切符を買い、電車を待った。
新幹線に乗るためには、電車を乗り継いで行かなきゃならなかった。
車内では、私の街とは違うイントネーションの言葉があちらこちらから聞こえる。
(私、来年からこの街に馴染めるのかな…)
そんな事を思いながら、楽しかった3日間を振り返っていた。