月の欠片
駅に着いてから、店長に連絡する。
『梨花!やっと繋がった!お前、せめて電源くらい入れとけよ!!』
『…すいません、何かありました?』
『電話じゃなんだし…梨花、今日店に来る前にちょっと話せないか?』
店長は私の家の側のカフェまで来てくれた。
『わりぃな、出勤前に…彼氏、元気だったか?』
私がカフェに向かうと、もう店長は来ていた。
『一体どうしたんですか?』
『愛美の事なんだけど…』
(何?愛美がどうしたの?)
私は黙って聞いた。
『梨花、愛美と真田さんの関係って知ってるか?』
(さすがに愛人とは言えないなぁ…)
『いえ、うちの店に愛美が入る前からの知り合いだとは聞いてますけど…』