月の欠片
ロッカーを出ると、ボーイや女の子達がロッカーの前で私達の会話を聞いていたみたいだった。
『あのさ、愛美も色々あって辛いの…お願いだからみんな変な噂やめて?私の客も取られてもないし、客と寝たりとかそんなのないから…』
私はそう言った。
みんなは返事はしなかったけれど、
黙って私の声を聞いていた。
(これで大丈夫だろう…)
今日はもう仕事するような気にはなれなかった。
店長に愛美と話した事を報告して帰らせて欲しいと頼んだ。
3日間も休んでいたから、お客さんから問い合わせの電話がかかっていて、
今日は出勤するからって予約が入っているからダメだと言われた。
私は仕方なく最後まで働いた。
終わった時にはクタクタになっていた。
(洸太、何してるかな…)
私は洸太の事を考えていた。