月の欠片
『そんな事、嘘ついてどぉすんの?』
笑いながらそう言うと、
『寝ながら名前呼んじゃうなんて、梨花の事、そうとう好きなんだな…俺』
洸太は照れたように笑うと、そのままシャワーを浴びに行ってしまった。
(好き?今、好きって言った?)
洸太が私の事を好きって言うのは初めてだった。
ずっと、洸太の気持ちがわからなかった。
好きなのは伝わってくるけど、
彼氏がいてもいいとか、
洸太の気持ちはわからない事が多くて不安だった。
でも、はっきり好きと言った。
私は素直に嬉しかった。