月の欠片
─何とかギリギリ間に合った。
また店から抜け出して携帯と煙草を片手に非常階段へと向かう。
白い息と煙りが重なって、煙りの間から見えるネオンが白く濁る。
(はぁ〜ここが一番落ち着く。)
物思いに更けながら、昔の事を思い出す。
ちょうど、中学3年の哲也と付き合ってた頃くらいから、
真希とは仲良くなった。
もともと私はおとなしいタイプで、
哲也や真希は私とは違うタイプだった。
やんちゃな感じだったから、目立っていた。
中でも真希は、同級生の中では多分一番可愛かった。
女の子の輪にいるよりも
いつも男の子の中にいるような子だった。
一度も同じクラスにはならなかったけど、何がきっかけだったのか…
いつの間にか一緒にいた。