月の欠片
そろそろ二次会の会場も時間が迫ってきて、
酔っ払いの子たちが帰りだした。
私と真希も、何となく席を立ち、
店の入り口にあったベンチに座りながら、
帰る子たちに挨拶したりしてた。
一次会や二次会の会場にいた時よりも、
皆と話す事が出来た。
改めて話してみたら、皆が結婚してたり、
子供が産まれてたりと、
周りの同級生の変化に驚かされた。
最後に残った哲也と宮川洸太がレジで会計を済ませてる。
(あっ!お金、本当に払わなくていいのかな…?)
会計を済ませた二人がうちらに近付く。
『あのっ!お金…』
私が話す途中で、
『今からどこ行く〜?』
宮川洸太が会話を遮る。
…隣にいる真希は、知らん顔をしている。
(…いいのかな?次とか言ってるけど、誘われてるんじゃないよね?)
結局、話の流れで
哲也と、宮川洸太と、二人の仲良かった女の子たちと、真希と、真希の仲良かった男の子数人と…
何故か私も一緒に、
宮川洸太の店に行く事になっていた─。