月の欠片
再会
──結局、何の進展もないまま同窓会は終わった。
(あんなに疲れるなら、もう同窓会には参加するの辞めよう…)
正直言うと、そんな感想しかなかった。
長かった正月休みも終わって、
私はまた、いつもの毎日に戻った。
仕事中に非常階段に抜け出す日々。
結局、それが一番居心地のいい場所だった。
夜の世界で、真実の愛とか人と人との繋がりとか
そんなものは幻想でしかなくて、
誰とも心から向き合う事の出来ない私には、
ちょうどいい世界だった。
誰を愛するわけでもない。
誰かに干渉されるわけでもない。
そこにあるのは、淀んだ空と下品なネオンと偽りの愛…
それでも私の生きていく為の必要な大事な場所だった。