月の欠片
ぷはぁ〜と二人で大きく煙りを吐きだす。
(そういえば、洸太…電話かかってこないなぁ)
ボーっと外を眺めながら、また洸太の事を思い出す。
『あ〜梨花さん、今もしかして彼氏の事考えてましたぁ?』
愛美が、クスクス笑いながら聞いてきた。
『ぶっ違うよっ!なんで?』
『だってぇ梨花さんてば、めっちゃ切なそうな顔してほわぁ〜ってしてるんだもん!』
まだ愛美は笑ってる。
『え〜違うよ〜!ただの友達だよ。電話かかって来なくてさぁ…』
『え〜誰かの電話待ってるなんて、やっぱ好きな人なんじゃないですかぁ〜!』
…私は、意外な愛美の言葉にドキっとした。
(好きな人? …す…き?)
『まさかっ!!好きなワケないじゃん!!だって…』
私は、何を焦ったのか何の弁明なのかわからないけど、
愛美に今までの洸太との事を全部話してた。
店の事、同窓会の事、誕生日の事・・・