月の欠片
愛美は腕を組んで、片手はホッペタに触れながら、
私の話を聞いていた。
『ん〜。つまり、それって洸太って人の事が気になってるって事ですよね?』
愛美が小悪魔みたいにニヤっと可愛く笑う。
『えぇ〜!!そうなのかなぁ?有り得ないんだけどぉ!!』
私は否定しつつも顔は緩みっぱなしだった。
愛美に話したおかげで、電話がかかって来ない事も、
逆に気にならなくなっていた。
(まっいっか、かかって来なくても。)
二人で店に戻ろうとした、その時
─ピリリリリ─
携帯が鳴った。
愛美が、
『梨花さん!早くでなきゃ!洸太さんじゃないんですか?』
って煽る。
『先、行ってて!』
愛美にそう言いながら、電話に出る。