月の欠片
愛美
お客さんが帰り、店長と一日の指名の本数を確認していると
見送りから戻った愛美が駆け寄ってくる。
『梨花さぁ〜ん、どぉでした?私、気になって仕事に集中できなかったですよぉ〜!!』
『コラっっ!ちゃんと接客しなきゃダメでしょ!』
とか言いながら、愛美の頭を軽くコツく。
愛美は笑いながら、
『詳しく聞くまで帰りません。』
って期待に目をキラキラ輝かせてる。
『もぉ〜仕方ないなぁ、これ終わるまで待ってて。ご飯でもオゴってやるからぁ』
『やったー!!じゃあ着替えて用意してきますっっ』
愛美は嬉しそうにロッカーに向かう。
普段、私が話さない女の子達や、店長が不思議そうに二人のやりとりを見ていた。
(やっぱ店では話にくいよなぁ…)
私もロッカーへ向かう。
着替えた愛美が私を見付けてまた嬉しそうに笑った。
『じゃあ、行こっか。』
『はいっっ!!』