月の欠片
─お疲れぇ〜!─
近くの居酒屋に入り、ウーロンハイで乾杯する。
『で、電話の相手は洸太さんだったんですよね?』
いきなり愛美が切り出す。
『うん、洸太からだったよぉ』
言いながら顔がニヤけてる。
私は詳しく電話の内容を愛美に話した。
『次に誘われたって事は絶対に脈ありですよぉ!梨花さん、やったじゃないですか!!』
愛美はまるで自分の事のようにはしゃいでいた。
(こういう女の子同士の会話なんていつ振りだろ?)
私達は時間も忘れて、お互いの恋愛について語り合った。
しばらく女の子と距離を置いて付き合ってきたから、
新鮮で楽しい時間だった。
私の話を、嬉しそうに聞いてくれる愛美の存在が
可愛い妹でも出来たような気がしていた。