月の欠片
5分くらい歩くと圭輔くんの店に着いた。
『もう酔っぱらってるかなぁ?』
エレベーターに乗り、店の前に着くと
中からは賑やかな音が漏れていた。
─いらっしゃいませぇ─
オープンの初日なだけあって店内はギュウギュウにお客さんで混雑していた。
『梨花!洸太〜こっち座ってくれ〜!』
哲也がテンパった様子で叫んでる。
少し狭い店内はカウンターが一列になっていて、
テーブル席が二つあった。
私と洸太はカウンターの真ん中に座る。
圭輔くんはテーブル席でシャンパンを飲んでいた。
『凄い人だねぇ』
隣にいる洸太にも声を張り上げないと聞こえないくらいだった。
とりあえず焼酎で二人で乾杯する。