月の欠片
気付いたら、深夜4時を回っていた。

賑やかだった居酒屋も残ってるのは私達を合わせて

2組だった。




『そろそろ帰ろっか〜?』

圭輔くんが時計を見ながら、

グラスに残った酒を飲み干す。


(もぉそんな時間なんだぁ〜。)


圭輔くんが会計を済ませてくれて外に出た。


『ご馳走さまでした。』

圭輔くんに頭を下げる。


『おぅ、またな!』


圭輔くんは、笑ってそう言うと、タクシーに手を挙げた。


『せっかく近くにいるんだから、絶対また誘ってね!』


そう言ってタクシーに乗り込んだ二人に手を振る。



いい感じに酔った私は、

久しぶりに楽しい酒を飲んで、気分が良かった。


送ってくれるという二人を断わって、

何となく夜風に当たりながら家に帰った。


(今日は楽しかったな〜。)


濃いめのメークを落として
ベッドに潜り込んで眠りについた─。



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