月の欠片
どれだけ時間が経ったんだろう?
私は二人でいられて、近くに洸太の顔があって
幸せな気持ちに包まれていた。
腰に回された手が動く度にドキドキした。
笑うと少し手に力が入って、少し体を寄せてくれる。
嬉しくて何度も何度も笑った。
洸太が急に、グッと体を寄せて、
『今日、梨花酔ってて心配だから俺んち寄ってけ』
って小さな声で耳元で囁いた。
『えっ?何?』
よく聞き取れなかった。
『いいから、ねっ?』
(俺んち来いって事なのかな…?)
よくわからないまま、首だけ頷いて返事をした。