月の欠片
洸太の家
洸太の家は一軒家だった。
玄関に入って、右側にある階段を登る。
3階の隅の部屋が洸太の部屋だった。
小さな部屋に机とテレビと布団が敷いてあるだけの、
シンプルな男の子って感じの部屋だった。
(布団…一つしかないのかな…)
洸太は私にTシャツとズボンを貸してくれた。
洸太は着替え終えると、布団に横になった。
『梨花もおいで』
布団をピラっと捲って手招きする。
(やっぱ布団は一つかぁ…)
私は躊躇しながらも、布団に入った。
─ドクン、ドクン─
心臓が急に動きを早める。
洸太の吐息がかかるくらいに近いとこにいる。
(ヤバいヤバいヤバい)
完全に思考回路はショート寸前だった。